■国土交通省の原状回復をめぐるトラブルとガイドライン 民間賃貸住宅における賃貸借契約は、いわゆる契約自由の原則により、貸主、借主の双方の合意に基づいて行われるものですが、退去時において貸主と借主のどちらの負担で原状回復を行う事が妥当なのかについて、多くのトラブルが発生しております。こうした退去時における原状回復をめぐるトラブルの未然防止の為、裁判例及び実務等を考慮の上、原状回復の費用負担のあり方について、妥当と考えられる一般的な基準をガイドラインとして平成10年3月に取りまとめたものであり、平成16年2月裁判事例の追加などの改訂を行っています。 ・最近の判例の殆んどが、このガイドラインを参考に判断されています。 ■「高知県ルール」原状回復における補修負担単位の考え方原状回復とは、賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧する事と定義し、その費用負担は賃借人負担としました。そして、いわゆる経年変化、通常使用による損耗等の修繕費用は、賃料に含まれるものとしました。「通常使用」とは下記のAです。 原状回復は、賃借人が借りた当時の状態に戻すことではない。
・上記の内、B及びA(+B)について賃借人に原状回復義務があるとしました。 <参照 賃貸住宅の価値グラフ> ※グレードアップ
クロスを破損した場合の借主の負担は幅0.9m×壁の高さm単位が原則です。しかし、破損部分だけを張り替えることで、色褪せた他の古い部分と色が異なってしまうような場合は、借主は原状回復義務を十分に果たしていないともいえます。その場合は、クロス一面分の張替えを借主の負担とすることもありますが、経過年数を考慮し、通常損耗・経年変化分を差し引いたものが、借主の金銭的な負担となります。なお、貸主が色合わせのために部屋全体の張替えを行う場合には、破損していない残りの面の張替え費用は貸主の負担となります。 経過年数の導入 前記記載のBやA(+B)の場合であっても、経年変化や通常損耗が含まれており、賃借人は、その分を賃料として支払っているので、賃借人が補修費用の全てを負担することとなると、契約当事者間の費用配分の合理性を欠くなどの問題がある為、賃借人の負担については、建物や設備の経過年数を考慮し、年数が多い程、負担割合を減少させるのが今回の考え方です。 (ページの最初に戻る) |
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